示談の基礎知識

◆はじめに

 交通事故の示談交渉を損害保険会社の担当者と行う

 のはたいへん労力と神経を使う作業です。

 相手方は、その道のプロで、数多くの事故に日々対応しており、

 また各種の研修も受けてその事案ごとに対応できるノウハウを持っております。

 被害者側は初めて直面するような話がほとんどで、事故で体調や生活状況も

 大変ななかで、きちんとした主張をすることは大変負担が大きいことが多いと思います。

 

 しかし、交通事故の示談は民事問題であり、民事の原則は「当事者主義」といい、

 これはわかりやすく言えば、努力して有利な主張や証拠を提出した側がそれだけ

 有利な結果を手にすることができるという原則です。

 ゆえに、交通事故においても、同じ受傷内容や就労状況にあっても

 適切な資料をどれだけ出し、どの部分の主張をどの範囲までするかによって

 結果は大きく変わってきます。 

いったん示談をしてしまったらもう一度やり直すことはほとんど不可能ですので、

その前に十分な知識を持って臨む必要があります。 

 

示談の法的位置づけ

 示談という言葉は法律用語ではありません。

 法的には民法第695条の和解契約にあたります。

 これは当事者の債権・債務を互譲、つまり主張を

 お互いに譲歩して解決を図ることをいいます。

 この結果を書面にした和解契約書のことを

 「示談書」といいます。

 

示談の効力

 交通事故が原因で発生した不法行為債権(つまり

 被害者の加害者に対する損害賠償請求権)は、示談を

 行うことにより、その内容を確定させることになります

 ので、示談以降はそれまでに存在していた事実に

 基づく請求は一切できないことになります。

 (よって、示談書のことを免責証書と呼ぶこともあります)

 

 保険会社からの示談書(免責証書・承諾書も同じ)には

 「私〇〇は上記交通事故による人身損害の損害賠償金として

 〇〇円を受領したときは当事者間に上記金額以外に

 何ら債権債務のないことを確認し、後日裁判上・裁判外を

 問わず、一切異議・請求の申立てを行いません。」という内容の

 文章が通常記載されています。

 

気をつけないといけないこと

 上記和解契約(示談)は諾成契約であり、口頭でも成立します。

 証明力の関係で必ず書面は作成しますが、事故の直後など

 に、過失割合とか債権放棄のような賠償にかかわることをうっかり

 言うと後日状況が変わったり、正確な知識を知って、これを撤回したく

 なってもできなくなります。

 損害賠償にかかわる安易な約束はしないように心がけましょう。

 

 また一般の方の場合は、損害保険会社の担当者といきなり

 示談交渉するのではなく、一度は交通事故を専門とする

 行政書士等のプロに相談することをお勧めします。

 

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示談書作成上の注意点

◆損害賠償の請求金額に合意を得た場合、つまり

示談交渉がまとまれば、示談書作成ということになります。

記入の際の要点は、下記のようになります。

1.事故の事実や内容や当事者を正確に記載すること
2.合意の内容をできるだけ具体的に記載すること
3.当事者本人の直筆の署名と捺印を確認します
4.相手が未成年の場合は、示談の当事者が法定代理人(通常は親権者)であるかどうかの確認が必要です
5.傷害部分のみで示談する場合には、後日に万が一の後遺障害が発生した場合に備えて、これに対する文言の付加も必要です。
6.人身事故と物損事故の示談は別物で、一方が他方の内容に拘束されることはありません。

 

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