神経系統の機能又は精神の障害

  ◆ 神経系統の機能又は精神の障害に関する認定は以下の通達を踏まえ、きちんとした事前準備  をして後遺障害の申請をすることが大切です。

 

神経系統の機能又は精神の障害に関する認定基準の主な改正点(H15年8月8日の通達)

従来の神経系統の機能又は精神の障害に関する認定基準については、昭和50年以降一部を除き改正されなかったことから、非器質性精神障害の後遺障害について外傷性神経症のみを想定していることや現在では脳損傷等の診断に不可欠となっているMRI、CT等の画像診断が当時は検査方法として記載されていないこと等、今日における医学的知見等の進展に適合しない部分も見られたところであり、さらには、労働能力の喪失の程度を医学的な総合判断に委ねる等明確さを欠く点もあったことから、今日における医学的知見を踏まえて認定基準の改正を行った。(この改定をふまえて書類を作成する必要があります)

(1)  脳の損傷による後遺障害の障害等級の認定
認定基準の明確性の向上を図る観点から、脳の器質的損傷に基づく精神障害については高次脳機能障害と位置づけた上、高次脳機能障害と身体性機能障害のそれぞれについて基準を設定するとともに、両者が併存した場合の取扱いを示しました。

(2)  非器質性精神障害の後遺障害の障害等級の認定
脳の損傷によらない精神障害(非器質性精神障害)の認定基準については、外傷性神経症に係る認定基準のみ設けられていたところですが、うつ病やPTSD等の精神障害の労災認定の増加傾向に鑑み、業務上の非器質性精神障害の後遺障害一般に関して適用する基準を設定しました。

(3)  脊髄損傷による後遺障害の障害等級の認定
脊髄損傷による後遺障害の認定基準についても、認定基準の明確性の向上を図る観点から、麻痺の範囲及びその程度を基本としつつ、せき髄損傷に通常伴って生じる神経因性膀胱障害等の障害も含めた基準を設定しました。

(4)  外傷性てんかんの後遺障害の障害等級の認定
外傷性てんかんについては、従来てんかん発作の型にかかわらず障害等級を示していましたが、発作の型により労働能力に及ぼす影響が異なることから、発作の型と頻度により障害等級を認定することとしました。

(5)  反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)の評価
RSDの取扱いは、従来認定基準上明確ではありませんでしたが、一定の要件を満たすものについて、カウザルギーと同様の基準により障害等級を認定することとしました。


神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準(厚生労働省労働基準局長 基発第0808002号 平成15年8月8日通達から引用しております)

脳の障害 器質性障害 脳の障害 器質性障害 脳の障害 器質性障害

脳の障害 器質性障害

脳の器質性障害は、「高次脳機能障害」(器質性精神障害)と「身体性機能障害」(神経系統の障害)に区分されます。そのうえで「高次脳機能障害」の程度や「身体性機能障害」の程度がどのくらいか、また介護の要否や程度はどうかを踏まえて総合的に判断することが必要です。

たとえば高次脳機能障害が第5級に相当し、軽度の片麻痺が第7級に相当するから、併合の方法を用いて準用等級第3級と定めるのではなく、その被害者の全体的な症状としてとらえ、その結果第1級の3、第2級の2の2又は第3級の3のいずれかに認定される場合もあります。

 高次脳機能障害

高次脳機能障害については、意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続力・持久力及び社会行動能力の4つの能力(以下「4能力」という。)の各々の喪失の程度に着目し、評価を行います。その際、複数の障害が認められるときには、原則として障害の程度の最も重篤なものに着目して評価を行うことが必要です。
たとえば、意思疎通能力について第5級相当の障害で、問題解決能力について第7級相当の障害で、社会行動能力について第9級相当の障害が認められる場合でも、最も重篤な意思疎通能力の障害に着目し、第5級の1の2として認定される場合もあります。

ただし、高次脳機能障害による障害が第3級以上に該当する場合には、介護の要否及び程度を踏まえて認定することになります。
また、認定基準に示されたもの以外の4能力の喪失の程度別の例については、別添2「神経系統の機能又は精神の障害に関する医学的事項等」(以下「別添2」という。)の別紙「高次脳機能障害整理表」を使います。
なお、高次脳機能障害は、脳の器質的病変に基づくものであることから、MRI、CT等によりその存在が認められることが必要です。
また、神経心理学的な各種テストの結果のみをもって高次脳機能障害が認められないと判断することなく、4能力の障害の程度により障害等級を認定することが必要です。

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