比較的新しい判例

比較的新しい判例

判例は時代とともに変遷していきます。

ここには比較的新しい判例を列挙しました。

今後も参考になるものがあれば順次加えて

いきたいと思います。

 

1.PTSD(心的外傷後ストレス障害)

症状固定時32歳の女子で事故後フラッシュバックが頻発のケースで

事故後、本件事故を原因または機縁とする精神疾患について、平成16年5月中から平成23年に至るまで継続して治療を受けており、PTSDとする診 断が概ね明確にされたのが平成17年8月下旬(心理テスト1回目の実施)ころ、それが確定的なものとされたのが平成18年4月ごろ(精神科医師による診 断)と考えられ、事故後継続的に生じていた精神上の原因が本件事故にあるとして

「PTSDについては後遺障害11級相当(労働能力喪失率20%)として扱うのが相当である」と認定しました。

京都地裁 平成23年4月15日判決

 

2.家事従事者の逸失利益

非器質性精神障害(12級13号)、局部の神経症状〈14級9号)の併合12級が認定された主婦(症状固定時37歳)について、事故から5年近く経過後も具体的な回復の兆候が見られないことも考慮され、平成19年賃金センサス産業計・企業規模計・学歴計・全年齢平均女性労働者の平均賃金で15年間14%の逸失利益を認定した。 

大阪地裁 平成22年8月25日判決

 

3.転職後間もない35歳男子会社員の逸失利益

右膝、右足関節機能障害(12級7号)、右股関節痛〈14級9号)、右足趾機能障害(9級15号)の併合8級が認定された34歳男性会社員につき、被害者の事故当時の年収300万円は転職後間もないことによりたまたま相当に低所得であったにすぎず、少なくともその前後の実績より被害者には大卒男子の80%程度の年収を得る能力があったものと認めるのが相当であるとして、基礎となる年収につき5,446,080円を認め、労働能力喪失率45%で就労可能年数の32年間を認定した。

名古屋地裁 平成23年8月19日判決

 

4.併合14級の50歳派遣配膳人の逸失利益を17年認めた事例

右上下肢の痛みが残存し後遺障害が14級9号の併合14級に該当する事案で、被害者の職業が中華飯店の配膳人であるから右上下肢の痛み等の神経症状は長時間の立ち仕事や配膳に差し支えるところが少なくないこと、症状固定後2回の職場復帰が続かず本件事故から4年近く経過した現在でも復職できないこと等の事情を考慮し、労働能力喪失率5%で、労働能力喪失期間は就労可能年数である67歳までの17年間とするのが相当であるとした。

横浜地裁 平成24年2月2日判決

 

5.48歳男子代表取締役の休業によって生じた会社の損害について売上減少による損害の60%相当と認めた事例

被害者は会社の代表取締役であるが営業、見積り、設計、工事管理を担当し、妻が経理を担当しており役員として月額16万円の報酬ないし給料の支払いを受けていた以外には他に給料の支払いを受けていたものはおらず、会社には被害者に代わって仕事ができるものはおらず、経済的に被害者と会社は一体をなす関係にあるといえるとして、被害者が業務に従事できないことで会社に生じた売り上げの減少による損害は本件事故による損害と認められる。ただし会社の経営状況の良くない実態や、公的証明の不足、完全に就労不能と言えないこと等から、本件事故と相当因果関係の認められる売上減少による損害を純利益減少分と固定費相当損害分の合計額の概ね6割が相当であるとして245万円を認定した事例

大阪地裁 平成24年1月27日判決


6.58歳男子タクシー運転手の逸失利益について、労働能力喪失率9%で11年間認めた事例

被害者はタクシーの運転手であるが、本件事故により両下肢の疼痛、しびれ、腰の疼痛、頸部から両肩部にかけての強い痛みの症状が認められるものの、他覚的所見があるとは認められず、いずれも14級にとどまる。しかし、労働能力喪失率については14級の5%ではなく、9%を認める。

理由は、被害者は本件事故により後遺症が残り、神経根の圧迫もあり、外出時腰のコルセットを装着の必要があり、座位により腰痛がひどくなっており、両下肢の痺れもひどくなっており、労働能力の9%を喪失した限度で相当因果関係が認められる。

また、就労可能期間は(5年でも9年でもなく)11年とする。

理由は被害者は症状固定時59歳であり、タクシー運転手が比較的高齢となっても続けることが可能であることを考慮すると、11年と認めるのが相当である。

以上より2、255、727円を認定した事例

名古屋地裁 平成25年2月6日判決


7.症状固定時24歳女子で、7級相当の外貌醜状の逸失利益について、労働能力喪失率20%で67歳の就労可能年数まで認めた事例

被害者は平成21年2月に実家に帰るまでは、音楽活動およびホステスとしての稼働によって収入を得ており、また事故後平成22年からは芸能活動を再開しているのであって、稼働意欲を否定することはできない。平成21年2月以降の実家での生活状況や、その際におヶる生活の混乱、薬物の影響等は、逸失利益を考慮する際の長いスパンの中で見れば一時的なものと評価すべきであり、被害者は将来にわたって平均賃金相当の収入を得る蓋然性があったものと認められる。

以上より就労可能期間43年で逸失利益12,174,031円を認定した事例

大阪地裁 平成25年1月16日判決

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